
三羽のカラス。
目を覚ませ、大人たちよ。
自分たちが人間の完成した形であり、
それに比べて子供は不完全な存在だ。
という理屈は、
死んだ人間が完成した姿であり、
生きているものはすべて不完全だ、
といっているのと等しい。
気づいているか?
大人になる、という意味は、
死を意識して、臆病になる、
たった、それだけの価値。
ほとんど死んでいるに等しい
大人たちの諺言。
古来、人は、「死」を守り、
「死」に縋って、戦った。
生きていることの尊厳ではない。
生きているものに、出来ることが、
それしかなかったからだ。
大人が醜い理由は、戦おうとしない
その怯えた命にあるということに、
気づいているか?
(森博嗣 『ナ・バ・テア』より)
スカイ・クロラの小説を読みました。
映画もみて、押井守の裏話も読み、今小説の『スカイ・クロラ』シリーズを制覇しようとしています(笑)
そこまでクロスメディアでみるなんて、ある意味会社の仕事くらいです。(うちの会社はクロスメディアで提案するのが売りだから。)
小説は会社の後輩がたまたま持っていて、貸してもらいました。面白いです。今シリーズ2巻目『ナ・バ・テア』。
映画を先にみたからかもしれないけれど、小説を読むと、映画で押井守が表現したかったのが納得できる。映画と小説はエンディングが若干違っている。私ならエンディングは小説と同じにすると思う。
映画と同じく淡々とした世界観なんだけれど、キルドレと呼ばれる登場人物たちの心の闇は、やっぱり小説の方が伝わりやすい。
なにもしてないし、日々目の前のことをこなしているだけなのに、病んだ世界観。
心の闇を上手く表現している小説です。
読み口はライトノベルっぽいけれど、丁寧に作られた世界観が伝わってくる。
謎の部分も多いまま進んで行く。
その感じが心地いい。
最初に書いたのは『ナ・バ・テア』の冒頭の言葉です。
かなり大人を否定した言葉で始まっているし、そこまで大人を悪ととらえなくてもという気持ちもあるけれど、小説の中の少年たちからみたら、そう思っても仕方がない気はする。
こういう世界観、写真で収めたいなあ…。
収めたらどうなるかなあ…。
そんなことを考えて、写真を撮りたくなってウズウズする。



